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9月号
 
 

世界陸上ベルリン大会

 

 2年に1度の世界陸上が今年はベルリンで開催されました。深夜、目を擦りながら見ていた方も多かったと思います。世界陸上IAAF世界陸上競技選手権は、1983年にヘルシンキで初めて開催され、最初は4年に1度、1991年の東京大会以降は2年に1度、世界のトップアスリートたちが一同に会し、「真の陸上世界一」を目指す舞台として注目を浴びてきました。2年前は、大阪で開催されとても盛り上がりました。日本では、織田裕二が司会していることもあり、有名な大会ではないかと思います。
 今大会で最も注目していた選手は、北京オリンピックで活躍し、100mのゴールシーンでも有名になったウサイン・ボルト選手(23歳)でした。この選手を知っておられる方も多いと思いますが、短距離走の選手で、北京オリンピックでは、100m、200m、4×100mリレーで3つの金メダルと世界新記録を出した選手です。
 100mのゴール手前のパフォーマンスがなければ、人類がまだ到達したことの無い、夢の9秒6を切れたのではないかといわれています。そんなこともあり、今大会は本気で最後まで走りきってくれるのではないかと、とても注目していました。いざ大会が始まってみるとやはり、ボルト選手の速さはずば抜けていました。
予選を楽々と突破し、準決勝、決勝へと順当に駒を進め、いざ決勝が始まると、抜群のスピードで飛び出し、10mぐらいですでに、1人抜け出た状態でした。最後まで全力で走ったボルト選手の記録は、当然のことながら世界新記録、タイムは9秒58でした。織田裕二じゃないですが、「キター!」って鳥肌が立ちました。今大会のTBSのキャッチコピーが、「記録の壁をぶち壊せ!」で、ボルト選手はまさにぶち壊してくれました。ちなみに200m、4×100mも制覇しました。
 ボルト選手の身長は196cmあるのですが、100mを走るときのストライド(一歩で進む距離)が、2m78cmと脅威の数字でした。100mをなんと37歩で駆け抜けてしまうのです。(実際はスタートがあるのでもう少し多いです。)毎回幅跳びをしている状態で、もう人間とは思えません。

今回、日本のメダルは、女子マラソンの銀と、男子やり投げの銅の2つだけで残念でしたが、とてもいろいろと波乱が起きたりして、とても楽しい大会になったと思います。
 次回は2011年韓国で開催されます。ロンドンオリンピックの1年前で、オリンピックの前哨戦とも言える大会になるでしょう。このときボルト選手は25歳。どんな記録を出してくるのか、非常に楽しみです。