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5月号
 
 

乾電池の話

 

 巷でもっとも身近な電力といえば乾電池ですが、意外に知らない部分も多いようです。
 今回はそんな乾電池のお話です。

 

 まずは乾電池の種類の話。
乾電池とは化学反応を利用した1次電池のことであり、その化学式によりいくつか種類があります。
 市販されているもので、もっとも安価なものがマンガン乾電池、その次に長寿命高出力が売りのアルカリ乾電池、後にオキシライドと続きます。アルカリ電池は価格の割には寿命が長く出力も大きいのが特徴となりますが、近年登場したオキシライドの方が性能的には優れており、価格の面でのみ有利となるためオキシライドが将来的に安価になってくると存在自体が危うい可能性もあります。一方、アルカリ乾電池に取って代わられた感のあるマンガン電池ですが、実は使用を中止すると、電力が復帰するという特徴を備えており、懐中電灯など普段あまり使用しない機材に向いているといわれています。
 また、時計などの小電力で動くものに対しては、アルカリやオキシライドの電力は強すぎ、故障の原因になるとも言われてますので、なんでもアルカリ電池でという今の風潮は見直す必要がありそうですね。
 またマンガン〜アルカリに関してはそれぞれ色が決められており、アルカリは金色、マンガン電池は、青、赤、黒が存在し青は高容量タイプ、赤は高出力、黒は高性能、とそれぞれ特徴があります。

 次に形による分類ですが、基本的に形が違う以外は互換性に優れており、アダプタなどで外形を同じにしてやれば使用は可能です。
 日本では単1〜6まで規格としてあり一般的には単1〜5までが売られています。また、それとは別に四角い電池でおなじみの9V電池がありますが、これは内部で1.5Vを6個直列に繋いであり、平型6層電池 9V形006P型となります。
 ところで、この9V電池のスナップの大きさですが現在国内で2種類流通しており、+側で言うとスナップ部の直径が5.7〜5.9mmのものと5.67〜5.77mmのものがあり前者は日本国内、後者は輸入品に多く見られるようです。

 医療業界でも、体外式ペースメーカなどは9V電池を使用していたり、テレメータなんかも未だに乾電池は多く使用されているため、電池の性能には気を配っていきたいものですね。