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1月号
 
 

解剖について

 

 先日亡くなった飯島愛さんの報道や、殺人事件等の報道で出て来る司法解剖と行政解剖が、どの様に違うのか気になり調べて見ました。

 『司法解剖』は刑事訴訟法に基づき刑事事件の処理のために行う解剖です。
主に刑事事件被害者の死因特定などの捜査活動の一環として行われます。
 司法解剖は、例えば殺人や虐待などの犯罪またはその疑いがあるときに行います。東京23区での場合には、東大、慶大、東京医科歯科大、帝京大、東京女子医大のいずれかに運ばれます。解剖の目的は、凶器、死亡時刻の推定や死者の身元確認など、犯罪捜査上重要な事項の調査です。勘違いをしている人が多いと思うのは、ここです。司法解剖のとき、実際に解剖するのは大学の法医学医師であって、監察医ではないのです。監察医が解剖を行うのは行政解剖の場合です。
 『行政解剖』は死体解剖保存法に基づいて行う解剖です。
 主に中毒・伝染病・災害死などで行われます。
 行政解剖は、犯罪性の低い異常死体について、衛生行政の一環として行われる死因の究明が目的で、23区内の場合には文京区大塚の監察医務院で作業をします。犯罪に巻き込まれた可能性がなく、検索のみで死因が確定したときには遺体引き渡しが行われます。