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水害

 

 7月28日に浅野川の氾濫があったのを覚えていますでしょうか。
私はいつも7時半頃に金沢駅のほうから浅野川を渡り通勤しています。この日は
いつもより水かさが増しているなと感じましたが、まさか1時間後に氾濫するとは
思いもしませんでした。

 いつもどおり透析のプライミングをして開始の準備をしていると、8時45分ごろ全館放送が流れ窓を開けてびっくりしました。茶色い水が勢いよく道路を流れ、
すでに10cmほどになっていました。透析室は本館と離れた北棟にあるため、道路は通れず院内の地下道を通って本館へ向かい玄関に土嚢を積みました。
 透析も開始を遅らせ、水が引くのを確認してから開始することとなりました。
 
 

 

7月28日 昌永町の様子
 浅野川沿いの家では急な濁流により家財道具がすべて流されてしまった方や、土砂に下半身が埋まってしまい半日以上そのままになった方など、今まで経験したことのない悲惨な状況が目の前にありました。その後1週間は病院から職員が交代で、家の中の泥を出したり、使えなくなった家財道具の運び出し、炊き出しの配布などを行っていました。私も2日だけですが泥かきに参加しました。中腰での水分を含んだ泥を運び出す作業は想像以上にきつい作業でした。

家の中の泥だし作業

 市の発表によると全壊2棟、半壊8棟、一部損壊6棟、床上浸水507棟、床下浸水1476棟に被害があったそうです。被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。
 床上浸水以上の被害の方には市からの支援金も出ることが決まったそうで、1日も早く被害に遭われた方々が元通りの生活ができるよう願っています。
 この経験をいかし透析室災害時マニュアルの改訂と透析室での避難訓練をすることになりました。透析中に非難が必要になったら、停電になったら、マニュアルがあっても実践できるのかみんなが不安に思いました。経験してみて初めて災害対策というものがこんなに重要な事なのだと実感することができました。