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香り高き飲み物

 

 食後に一杯というと、コーヒーを思い浮かべますが、紅茶をという方も多いのではないでしょうか。この紅茶ですが、意外に種類等が豊富なことをご存じない方も少なくないと思います。ここでは、初心者向けに、ちょっとだけ紅茶についてうんちくを述べてみたいと思います。

 紅茶の種類というと、日本人に馴染みが深いのは、ダージリンやセイロンティーといったところでしょうか?
 このダージリン、セイロンというのは紅茶の名前、というよりは、実は産地を表したもので、ダージリンはインドのダージリン地方で取れた茶葉で、「紅茶のシャンパン」と呼ばれるほど、香りが高いのが特徴でストレートで飲むのが良とされています。
 セイロンはスリランカ産の紅茶の総称ですが柑橘系のアロマが特徴で、更に細かく分類することが出来ます。まず、産地の標高で3種類に分けられ、このうち最も標高の高い(1200m以上)ところで採れたものを「ハイ・グロウン・ティー(High Grown Tea 高産地茶)」と呼びウバやディンブラ、ヌワラエリヤなどの地方に分かれます。
 この他にも、アッサムやケニヤ、ジャバなど、実に様々な産地がありますし、その他にも、香料で香りをつけたアールグレイなどのフレーバーティーや、いろいろな茶葉を調合したブレンド紅茶もあります。

 また、紅茶にも品質による等級がつけられ、最上級品は
F.T.G.F.O.P.
(フィナー・ティピー・ゴールデン・フラワリー・オレンジ・ペコー)
と呼ばれます。
その下には、
T.G.F.O.P.
(ティピー・ゴールデン・フラワリー・オレンジ・ペコー)
G.F.O.P. (ゴールデン・フラワリー・オレンジ・ペコー)
O.P.   (オレンジ・ペコー)
P.    (ペコー)

世界三大銘茶
 ダージリン、ウバ、中国のキーマンをして世界三大銘茶と呼びます。紅茶の三要素である「味・色・香り」の条件を最もよく満たしているとされています。

ダージリン
 マスカットフレーバーと呼ばれる、さわやかな香りが特徴。F.O.P.グレードのダージリンは「紅茶のシャンパン」と称される。

ウバ(ウヴァ)
 癖のある深い苦味が特徴で、多種多様な香りを持つ。水色が濃く、カップに注いだ際に水面の淵が金色の輪のように見える事があり「ゴールデンリング」と呼ばれることも。

キーマン(キームン、キーモン)
 蘭のような甘い香りのスモーキーフレーバーが印象的。

紅茶の入れ方(ストレートティ)
 1.まずお湯を沸騰させます。この時新鮮な水を使用すること
                     (汲みたての水道水でも可)
 2.お湯が沸騰したら、その熱湯を使いティーポットを洗い流して温める
 3.リーフ(葉)をティーポットに入れて、熱湯を少し高めの位置から注ぐ。
 4.3〜5分ほど蒸らした後、最後の一滴までティーカップに注ぐ
 5.できあがった紅茶を、まずはストレートで高い香りを楽しみましょう

お湯は空気をたっぷり含んでいると、ポットの中で茶葉が上下に動くジャンピングが見られ、これを起こすことによって初めて、茶葉本来の味と香りが抽出できるといわれています。お湯をしっかり沸騰させること、お湯の温度が下がらないよう、ポットを温めておく事が重要です。
 また、注ぐ際の最後の一滴は「ゴールデンドロップ」や「ベストドロップ」と呼ばれおいしさが凝縮され味が引き締まるそうですので、きちんと注ぎきりましょう。