内視鏡検査といえばまず思い出すのが、苦しい胃カメラ検査ではないでしょうか。ところが現在、吐き気の少ない内視鏡としてテレビでも芸能人が良く飲んでいる経鼻内視鏡やカメラと光源と送信機能を錠剤程度の大きさのカプセルに入れ込んだカプセル型胃カメラが話題となっています。
カプセル型胃カメラなどは薬のように飲み込み、胃の中を転げ落ちる間に写真を撮り画像を転送するもので、カプセルは最後に排便されてサヨナラとなります。普及すると随分楽に検査ができるのかもしれません。
さて、急に今回のコラムが「なんで内視鏡検査なんだろう」と思われた会員の皆さんも居られると思いますが、臨床工学技士が受験する事の出来る資格の一つに日本消化器内視鏡学会の認定試験があるからです。この試験の受験資格には実務経験も必要となるためか、私が受験した5年前にはまだ臨床工学技士の受験者が少なかったようで、面接官(面接試験もあります)に「臨床工学技士に受験資格があるのか」「臨床工学技士が何をするの
か」と、普通の受験生と違う変な質問をされて戸惑ってしまいました。今は多少向上したとはいえ、そのころはまだまだ臨床工学技士への認識度が低かったのかもしれません。
しかし、現在の内視鏡検査や処置術には電気メスやレーザー、超音波など多くの電子医療機器が使用され、技師の電子知識向上も求められています。そこで今回は臨床工学技士が関わることのできる、面白い分野の内視鏡検査の一端をご紹介いたします。
通常の消化器内視鏡検査は上部消化管と下部消化管に大別され、上部消化管検査は通常「胃カメラ」呼ばれ、食道から十二指腸までを検査します。
下部消化管検査は「大腸カメラ」呼ばれ、肛門から上行結腸(盲腸も)までを検査します。
器材はどちらもスコープ(現在ビデオスコープ型が主流)、モニタ、ビデオシステム、光源装置、吸引器などが使用されます。
この中でスコープが通常「カメラ」と呼ばれるもので、光源装置により照らし出した部位を数万本のグラスファイバーによって構成されたカメラで映し出し、ビデオシステムを通して画像をモニタに映し出します。
カメラには鉗子の通る穴もありカメラの出し入れをする事なく生検や処置などを行うことができます。
さて、未だ胃カメラを行ったことがない方のために、私がつい先日受けた胃カメラ検査の様子を実体験でご紹介しましょう。
まず内視鏡室に入ると昨夜から何も食べていない胃の中に消泡剤と咽頭麻酔剤を流し込みます。
私の病院では咽頭麻酔剤を凍らせて、味も付けて飲みやすくはなっていますが・・・それでも苦くて気持ちが悪いんです。う、うぇ私にはやっぱりだめだ と、ここで早くも軽く泣きが入ります。
それから鎮静剤を打ちベッドに横になり、何も無いことを願いつつDr.が入室するのをドキドキしながら、よだれを垂らして待ちます。そして、マウスピースを口にくわえ、カメラが挿入されます。(ToT)
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